あるところに、仲良しの三人兄弟が居りました。
三人は成人を迎えた時に、こう誓い合いました。
「これから10年、それぞれ各地で修行をしよう」
「10年の間に、自分で見つけた”一番不思議なもの“を持って帰って来て
見せ合おう」
一番上の兄は東に行きました。そして、ある旅人から
「世界の隅々まで見える不思議なガラスのコップ」を買いました。
二番目の兄は西に行きました。そして、ある町で絨毯売りに出会い
「鳥よりも高く、速く飛べる魔法の絨毯」を買いました。
一番下の弟は南に行きたした。とある森の中を進んで行くと一本の
不思議なザクロの木を見つけました。
そのザクロの木は「花」はたくさんついているのに「実」は1つしか
生っていませんでした。
そのたった1つの「実」を手に取った瞬間、咲いていた花の1つが突然
「実」に姿を変えました。
一番下の弟は、このザクロの木こそ世界で一番不思議なものだと考え
て持ち帰ろうとしたのですが、
そう考えた瞬間にザクロの木そのものが消えてしまいました。
弟は、手元に残った「ザクロの実」を持ち帰る事にしました。
10年後、再会を果たした三人兄弟は自分が持ち帰った「不思議なもの」
を見せ合いました。
一番上の兄が持ち帰った「世界の隅々まで見渡せるガラスのコップ」
を覗くと、ある国のお姫様が重病でベッドに寝ている姿が映りました。
ベッドの傍では王様が「誰か助けてくれ」と嘆いています。
これを見た三人兄弟は二番目の兄が持ち帰った「魔法の絨毯」でお姫様
のところに飛んで行きました。
そして、到着するやいなや一番下の弟が「不思議なザクロの実」を
半分に割り、お姫様に差し出し食べさせました。
驚くことにお姫様は歩く事も出来なかった状態から急回復しました。
王様は感激して、三人の兄弟にこう言いました。
「お前達三人のお陰で、姫が重病から回復した。誰が姫と結婚しても
良い。三人で話し合って決めなさい。」
すると、姫が「私に質問をさせて下さい」と割って入りました。
そして、、、どんな質問をしたのかな? 誰と結婚したのかな?
お姫様と結婚……成功の象徴
どんな人が成功を手に入れられるかな?
自分がどんな人になれば「成功」を手に入れられるのかな?
では、考えてみよう。
兄弟の視点
長男、、問題を発見出来る人なのか?
次男、、最速で行動出来る人なのか?
三男、、問題を解決出来る人なのか?
また、違う視点があるのかな?
お姫様の視点
自分ならどんな人に「成功」を与えたいと思うのか?
三人兄弟に何を聞いて何を確認するのか?
お姫様は一番上の兄にこう質問しました。
「あなたは、世界の隅々まで見渡せるガラスのコップで私の重病を
発見してくださいました。」
「その望遠鏡のようなコップは、今でも元のままですか?」
一番上の兄はこう答えました。
「はい、まったく元のままです。この通り使えます。」
次にお姫様は二番目の兄にこう質問しました。
「あなたは魔法の絨毯に乗って、私のところにいち早く駆けつけて
くれました。その絨毯は、今でも空を飛べますか?」
二番目の兄はこう答えました。
「はい、まったく元のままです。傷もなく、問題なく空を飛べます。」
最後にお姫様は一番下の弟にこう質問しました。
「あなたは私にザクロの実を食べさせて病気を治してくれました。」
「そのザクロの実は、今でも元のままですか?」
一番下の弟はこう答えました。
「いえ、お姫様に半分差し上げましたので、今は半分しか残っており
ません。」
そこでお姫様は高らかに宣言しました。
「私は一番下の弟と結婚します。」
「彼は、私のために大切なザクロを半分失ったのですから。」
このお話は、ノーペイン・ノーゲイン
「犠牲なくして、成功なし」失ったものの大きさと成功は比例する
①この原則は正しく ②捨てるのが絶対に先 ③信念を持て
長男、次男が持っているものは旅人や市場で購入した便利グッズ。
努力を重ね見つけた不思議なザクロが一番とも言えよう。