私の一番の趣味は、20年以上やっているスキューバダイビングです。
静岡市に転勤で住み始めてから車にハマり、次にハマったのがダイビング
でした。
最初は、未知の体験をしてみたくなり水上バイクや登山など試みましたが
続けたいような気持ちにはなかなかなれずに焦燥感のようなものが心に
渦巻いてました。
車は当時ハイソカーブームで、プレリュード、ソアラ等を乗り継いでちょ
っと満足感はあるけど何かが違うなと悶々とした時間を過ごす中。街中を
ドライブ中にふと見掛けた上り旗がダイビングショップのものでした。
興味本位で入店し、ダイビングの事について色々と話しを聞いていると
ツアーで流されたり、死んだりと結構危ない印象の話しを受けましたが
「ダイビングは、スポーツの中で唯一人と争わないスポーツ」の一言と
「忘れられないほどの凄い感動があるよ。」が心に残りました。
本当に忘れられない感動があるのか体験してみなければいけないなと思い、
会社のちょっと上の先輩に「ダイビングは若い女性が多いそうですよ。」
と上手に誘いました。実際八割だったので嘘ではありません。笑
ダイビングは、二人一組スポーツなので相方「バディ」が必要なのです。
まずは先輩と座学です。講習テキストは盛り沢山で2cmの厚さでした。
水中で受ける身体への影響についてや、海の環境について(物理学的)、
機材の取り扱い、不慮の事故に遭遇した場合の対処方法など二日間ギッシ
リと学び、テストに合格し座学は終了しました。
次はいよいよ実技講習です。伊豆浮島のリゾートホテルに泊まり、ホテル
のプールで機材を装着。ワクワクが止まりません。
一通り再度機材について細かく講習を受けて準備万端。
泳ぐ事は人並みに出来るので大丈夫だろうと思ってプールに入りました。
ダイビングマスクを装着すると鼻はマスク内に、当然鼻では息を吸い込め
ませんよね。でも、普段鼻呼吸が普通で風邪の時に無意識に口呼吸をして
いる事に意外と気付いていません。
一瞬パニクル人も少なからずおります。私もそのうちの一人です。笑
レギュレーターの使い方や呼吸の仕方をプールでおさらい、落ち着いて
水中で始めて呼吸が出来ました。最初だけ・・・
水中では、ゆ〜くり呼吸し息を止めない事が基本になります。
座学で教わる物理ですが、水深10mでは2気圧分の水圧が身体に掛かり
ますので、同じ2気圧の空気を吸う事で肺が押し潰れません。
2気圧の空気を吸う事は、酸素も2倍の密度で吸う事になるので普段出来
ないくらいゆっくり呼吸しても苦しくありません。
でも、初心者のうちは緊張や興奮、無駄な動きも多く呼吸が速く荒くなる
のは当然で、私のタンク内の空気はみるみるうちに減っていきます。笑
プール内ではBCDジャケットに空気を入れたり出したりの練習を行い、
同時に自分の肺にある空気の出し入れで水中浮力調整の練習をしました。
これが意外と難しく、浮き沈みはワンテンポ以上に遅れる事象なので
呼吸に多くの時間を費やしました。(人様以上に・・・笑)
次はいよいよ待ちに待った海洋実習です。更にワクワクがたまりません。
浮島は小さな湾でプライベートビーチのようなところです。
海水浴を楽しむ方は砂浜で、ダイバーは石がゴロゴロとしたところを進み
海へ向かいます。水位が腰より少し上になったところで再度プールでやっ
た事のおさらいをして見ると浮力調整が更に難しいです。と言うのも海水
と真水(プールの水)では浮力が違うので戸惑うのは無理もありません。
あ、ダイビングは沈むのが怖いと思ってません?まず、沈めません。
初心者が一番難しいのは、一旦肺の空気を抜いて潜り始める事なんです。
肺に思い切り空気を吸って潜り始める素潜りと違って、肺の空気を抜か
ないと沈み始めません。これがまた厄介です。
水中では浮きも沈みもワンテンポ以上遅れるので、空気を吐き切ってから
徐々に沈み始めますが、テンバル初心者は直ぐに空気を吸ってしまうので
水面でバタバタはよく見掛けます。そう私ですね。笑
しかも足先にはフィンを履いていますが、バタついているので水面に向け
てフィンキックしているようなものなので沈む訳がない。笑
潜水開始時、フィンは水底に向けて動かさないが鉄則です。
二日目ともなると徐々にコツを掴み始め、バディとの意思疎通訓練や補助
(危険回避)、最後に残った空気でバディとフリーダイビングを行いまし
た。フリーの時間に自然に出来た水中洞窟を抜けて冒険して楽しんでみた
り、白いエイが白い砂地から沖に向かってゆっくりと泳ぐ姿を見てメチャ
クチャ感動したのを今でも鮮明に覚えています。
水族館やテレビで何度となく見ている姿なのに・・・なぜ?感動を?
ダイビングインストラクターに聞いてみました。
「それは、水中で下手したら死んでしまう環境をしっかり理解した上で
見るものは、今まで以上に神秘的で感動するもんだよ。」小難しく言っ
てるな〜と思いつつも「死を背中合わせに見せる世界」ってやつかぁ〜。
と腑に落ちました。
実際に20年以上陸上で生きて来て、心が震える感動はそうそう無かった。
しかし、ダイビングには心開放する感動があり、続ける趣味になりました。
あ、ちなみに一緒にダイビングを始めた先輩ですが、私以上にハマり過ぎ
ダイビングインストラクターになり会社を辞めてしまいました。苦笑
ダイビングには自分の身を守る責任とバディを守る責任が様々あります。
(体調管理・機材管理・気象管理・ダイブ計画等)
面倒くさがりの私が、この責任を負ってでも見て見たい世界(海中)が
ダイビングで趣味なんですね。真面目に付き合う感じです。笑
途中からは水中スクーターで遊んでみたり、水中写真も始めて国内・沖
縄・海外と潜り、対象はバス程のジンベイザメ、マンタ、サメ、イルカ
から数ミリのウミウシ等、何でも楽しく撮って、沈船や水中風景に広が
っていきました。ジープ島との出逢いや、mixiで多くの友人を作れたのも
ダイビングのお蔭です。そして、モルディブで貰った1400本ダイブ記念
から数年後に、ダイビング関係で一生の「バディ」嫁さんと出逢いました。
ハネムーンでは、タヒチ・ボラボラ島と巡り世界で唯一ダイビングで、
ザトウクジラと潜る事が出来るルルツ島にも渡り、親子ザトウクジラと
一緒に潜るダイビングの夢をコンプリート実現出来ました。
それから息子が生まれ暫くお休みしていますが、いつか再開したい趣味
です。
息子の希望でスイミングスクールに通わせてますが、いつか家族三人で
ダイビングに行けたら良いねと言ったら、怖くて嫌いだそうです。苦笑
でも、水中で思わず叫んでしまうくらい感動出来る体験はさせて見たい
と思ってしまう親心。うざいですね・・・